以前から行こうと思っていたサンドーム福井にある福井ものづくりキャンパス様に行ってきました。
こちらの中にある「デザインラボ」様では、デジタル加工機械を借りることが出来ます。貸し出しているのは
・石膏造形機(3Dプリンター)
・レーザー加工機
・UVプリンター
・光造形機
といった機材を使わせてもらうことが出来ます。
以前から化繊生地の裁断をレーザーカッターで出来ないかと思っていて、今回お借りすることが出来たのでそのレポートです。
■レーザー加工機について
材料の面にレーザー光線を当てることで材料カットや彫刻をすることが出来る機械です。アクリルフィギュアや縁が茶色になった5mm位厚の木製品などはこのレーザー加工機で作られています。
加工条件やデータにより完全にカットするか絵を描くかということも選ぶことが出来ます。今回は化繊生地の裁断ということで、レーザーカットをしてきました。
■データの作成
Illustratorを使って線データ(ベクターデータ)を用意し、持ち込みました。加工のためには現地で線種などの指定があり、持ち込んだものの線データを指定のものに変えます。PCは加工機と接続されていて、プリンターを動かすような要領だそうです。
以前からIllustratorを使って型紙を作っていたので、それの流用をしています。
■出来上がったもの
本当に細かいものが出来ます。例えばこんなの。写真の生地は全てアムンゼンです。
十字マークがたくさん、手で作ると1つ1つ大きさや形が変わってしまうものをたくさん作ることが出来ます。
それからこの生地のように、裁断と縫い線を一緒に加工することが出来ます。縫い線はカットと同じ内容で、それのレーザーの力を弱くしたものです。縫い線があるとものすごく縫いやすい……。
化繊生地はレーザーカットをすると端面が溶けてほつれ止めになります。これを利用して端面の折りを無くしたフリルをスカートに付けてみました。とってもいい感じですけど、折り1つ入れた方がそれっぽいのかなとも考えています。
縫い合わせ側もほつれ止めになっていますが、溶けたことにより生地が硬くなるということは無く、通常ギャザー寄せをしたら出てしまう縁の糸くずが全く出ないというのが素晴らしいです。どちらかというと裏面の方がほつれ止めによる恩恵を受けています。
■問題点
天然繊維でやると端面が燃えたような跡になるそうです。今回は時間が無くてやりませんでしたが、どういう形になるかはやっておきたいなと思っています。紙できれいにカットをしているものもあるのでひょっとしたら条件で上手く行くかも?と思ってもいます。
あとやっぱり一般のレーザーカッターを扱っている場所での加工費は高いです。通常10分で1,000円とか東京では5分で1,000円とかという料金体系になっています。デザインラボ様も試作のための場所ということですが、実は県の工業技術センターだったそうです(なので安く、700円/1時間!)。県の施設とは聞いていましたけどまさか工業技術センターだったとは……。ちなみに福井県には窯業(陶芸関係)の試験場もあるそうです。初めて知った!
それから当たり前のことですが、加工機の大きさを超えるものは出来ません。今回使わせていただいたものは600x300mmという大きなものだったのですが、サーキュラースカートがそれでも入らなくて泣く泣くスカートを小さくして臨みました。人形用なのでよかったのですが、人間用衣装になるとメンズ服とか身頃半分も切れないかなと思います。
■まとめ
レーザー加工機めっちゃいいです。後での縫い作業もやりやすいですし、裁断の手間が大幅に簡略化されるというのが大きいです。本当にオススメ。
他にもアクリルなどでテンプレートを作ってそのまま生地にチャコペンシルで型紙を転写するようなこともできるっぽいので、また行ってきて実験したいです!